けーしーのブログ

EpiphoneのJapanヴィンテージについて個人的に思うこと

最初に

僕はギターが大好きで、今までEpiphoneのギターだけでも10本以上は触ってきた。

その中でも特にEpiphoneのギターに惹かれた。oasisやBeatlesが好きだったから。

 

みんなの憧れ。Gibson。

https://gibson.jp/

高校生の時に、夏休みにバイトで貯めたお金で1989年製のGibsonのレスポールカスタムを中古で購入したことがる。当時20万円くらいだったかな。Gibsonなんかそんなに何本も買える余裕などあるはずもなく、その後、趣味が変わるにつれて違うモデルに憧れることも多かった。特に20代の頃はoasisが大好きで、世代が全然違うので周りに好きな人は誰もいなかったが、僕はセミアコに夢中になった。でもGibsonは高い。そんな時に、EpiphoneのJapanヴィンテージと言われるものを知った。oasisのノエルやボーンヘッドが使っていたからだ。しかも、メジャーシーンに彗星のごとく現れ、そのブームの真っ只中にいる時に使用していたのを知ってからというものの、当時の僕としてはメジャーが案外近くにあるような、遠く感じる必要がない気がしたくらいの衝撃を受けた。それを知ってからというものの、その魅力に取り憑かれてしまった。これまでのEpiphoneの経験をここに記しておこうと思う。

 

まず、皆さんはEpiphoneをご存知ですか?

今では激安メーカー、Gibsonの下位ブランドというイメージがあるかもしれませんが、元々は一流ブランドでした。

 


Epiphone History


https://www.epiphone.com/

調べれば、すぐわかるのだが、1940年頃まではトッププロに愛用されたブランド。その後、低迷し、1957年にGibsonに買収され、Gibsonの2ndブランドとしての立ち位置に。1966年にBeatlesに愛用され、好調となるが、他社とのシェア争いなど様々な要因により、再び低迷し、1970年頃より、コスト削減の為、生産拠点をアメリカから日本に移し、生産されるようになる。80年代以降は日本でのコスト増により、韓国でも製造されるようになる。2004年には中国に工場を新設し、これはEpiphoneにとって1957年以来の専用工場。現在も中国やインドネシアで生産されている。

これらの経緯は、EpiphoneのHpを見てもらえれば詳しく載っている⇨https://gibson.jp/epiphone/history.html

生産拠点が日本に移るまでのものが、基本的にEpiphoneの中でヴィンテージと言われていて、価格もかなり高価。

ただ70年代以降、日本製になってからのものに関しては、価格もかなり下がる。この頃のギターの品質が良いということで、いわゆるジャパンヴィンテージと言われている。元々は知る人ぞ知るという感じで、マニアに評価を得ていたが、今や認知が広まり、それに目をつけた人々によって価格が高騰し過ぎていて、その価格ほどの価値があるのか怪しい状態になっている。

 


ジャパンヴィンテージ


ざっくりと、70年代頃より、80年代後期まで、長野県松本市にある有名なマツモク工業によって生産された。ざっくりと70年代はブルーラベル、80年代はベージュラベルの貼られたEpiphoneのギターが存在する。当初は、元々マツモク工業製の楽器にそのままEpiphoneのロゴを付けただけで売っていたとかなんとか。ちなみにマツモク工業は1987年に工場を閉鎖。

80年代後期になると、寺田楽器により製造。こちらにはオレンジラベルというものが貼られている。90年代後期?には製造のメインは韓国に移っていくが、現在もElitistという日本製のEpiphoneを製造し続けているメーカーである。

その後、韓国に生産拠点を移してからも、その中でもピアレス製のものが品質が良いとかなんとか?

色々な説があるのが、Epiphoneの良さであると思っている。

 

僕もハマってしまったうちの1人で、”この年代が良い”とかなんとかEpiphoneのギターを取っ替え引っ替え試し、最終的には10本近く所有したことがある。

 


今まで所有したことのあるEpiphone一覧(覚えている範囲で情報を)

 

ブルーラベルのRiviera CH

オレンジラベルのCasino VS フジゲン製?

USA製のOlimpicシングル CH

Orville by GIBSONのJ160-E VS

1997年 韓国製のEJ200 NAT サミック社製?

2005年 中国製のEJ-200 VS

中国製CASINO CH

中国製のCoronet CH

中国製のWilshire CH

中国製のES-345 CH ×2

中国製のRiviera CH ミニハムビグスビーモデル

2012年 50周年記念の 1962 Sheraton ×2ビグスビーモデルとフリケンセイターテールピースモデル

2000年 中国製のEJ200 VS

2018年 インドネシア製のTexan NAT

 

こうやって書くだけだと、嘘っぽいというか、信じてもらえない方もいると思うので、あまり写真はないのだが、ある時の写真を。

一番左のRivieraが中国製、次に50周年記念のSheraton、ブルーラベルのRiviera。右のソファにはGibsonのES-335とFender USAのAmerican VintageとFenderのベースが一本。この頃は常に6本以上は所有していたと記憶している。

 

こちらの写真は、現在に一番近くて。見て分かる通り、ほとんどのギターは売ってしまったが、その代わりにアコギが2本増えている。

右から、近年のインドネシア製のTexan、次に2010年中国製のEJ-200、これが現在のメイン愛機。他は前画像のGIBSONとFenderである。写真には移っていないが、韓国製のEJ-200もまだあり、左のEpiphoneのケースに入っている。

 

とまぁこんな感じで所有してきたのである。もっと写真撮っておけばよかったな。改めて見るとやばいな、散財が。まぁほとんど購入時より高く売れたので、損はしてないですが。

Epiphoneは大体のことが、ラベルやギターの形状、シリアルナンバーで製造年や製造国、製造メーカーが分かる。

 


ジャパンヴィンテージについて思うこと

これだけ使ってきて思うことはさ、ジャパンヴィンテージにこだわる必要はないと思うってことだな。

色々なギターを使ってみてさ、ギターって知っての通り、個体差がある。良いものに当たるとは限らない。ジャパンヴィンテージだから、”良い”わけでは当然ない。

僕はギターの専門家ではないから、どの材質だからとか、最低限の知識しかない。この時代の、この材質と、この構造が組み合わさると、、、なんて詳細知識はないよ。ないけれど、実際に弾いてみてね、やっぱりジャパンヴィンテージの時代のギターの鳴りはかなり良いよ、というか良かった。それは認める。全然違ったよ。言葉で表すのは難しいけど、アンプを通さないでも、お腹から腕まで響くような感覚があった。それが当たり個体だったのか、ハズレ個体だったのか、個人的に感じたことだから、厳密に判定はできないことは前置きしておくけれどね。

鳴りは良い。なら何故、こだわる必要はないと思うのか。

 

一つ目はコンディションだ。

コンディションの悪い楽器は、かなりストレスが溜まるよ。場所によるけど、それが、まるで病気のガンのように、すごく気になると思う。それさえ、なければと。音は良いけど、ネックに異常があって、あるフレットでビビるから、その音だけが良くないとかね。

ギターを選ぶ時にね、新品で購入しない限りは全て中古となる。ギターってのは厄介なもので、どれも一般の人からすると同じに見えるのかもしれないが、弾く側からすると全然違うからさ。現在販売されていないモデルなんかもあるから、欲しいものを揃えようとなると、新品市場だけでは賄えないともあるよね。好きな音楽を弾くのに好きなギターで弾かなかったら、それは即ちロックではなくなるから。好きなアーティストと同じ、もしくは同じ形状のギターを使いたい。その気持ちだけで良い。むしろ、それが大切なんだ。だから中古を選ぶこともある。

中古となれば、そのギターの使われ方、持ち主が大切にしたかによって、ギターのコンディションが全然違ってしまうんだ。もちろん、それだけではないのだけれど。

当時のEpiphoneのギターに現代でこんなに値打ちがつくとは思われなかっただろうから、ほとんどのジャパンヴィンテージのギターはそんなに大切な扱われ方をしていないと思うよ。

 

で、コンディションを整えるために最も大切と言えるのは、入手経路の複雑さ、すなわち入手しづらいということだ。

古いものになればなるほど、手に入れづらくなるからさ。コンディションの良いものは圧倒的に数が少ないんだ。

例えば、中古楽器店みたいなところがある、コンディションについては信用はできるけどブームに乗って高値で販売されていることが多い。お金があるなら、これが一番安心だよ。でも、そもそもの話、楽器屋に出回らないものも多いから、出会えるかは完全に別話となるよ。

次に、ヤフオクなどに代表される、いわゆる個人間売買というやつで、わかりやすく言うと博打を打つ代わりに掘り出し物が見つかったりするって感じ。今ではジャパンヴィンテージに価値があることは多くの人が知っているから、価値を知っている人は楽器屋には売らないよ。楽器屋に持って行ってもかなり足元見られた査定をくらうしね。

もう一つは、一般的な中古屋さんだ。ハードオフとかブックオフとかだね。今は知識も広まってしまったので、ほとんどなくなったけど、たまに地方の中古屋さんに行くと、ジャパンヴィンテージの価値を知らずに売りに行った人から、ジャパンヴィンテージの価値がわからず買い取った結果、安値で売られるという、田舎ならではの掘り出し物があったりすることがあったから、それが楽しかった。お店だから、楽器用の設備がある会社もあったりして、個人間売買よりは安心できるかも。

といった感じで、入手経路にも色々な方法があるけれども、ジャパンヴィンテージは基本的に見つかりにくいんだ。ただでさえ、数が少ない上に、コンディションの良いものとなると、さらに少なくなるよ。

僕の経験でも、今までもコンディション不良の箇所が何かしらあるものにはかなり当たったよ。確率は50%くらいは当たったんじゃないかな。僕はヤフオクでいつもゲットしていたからね。ただ、それでもかなり目利きの実力はついていて、回避した方だと思うよ。ポイントがあるから、それを守って競り落とすんだ。それこそ、致命的な不良に当たったのは、1、2本くらいだったしね。それに、コンディション不良と言っても、その良し悪しって、また個体差があるから、そのギターによって症状が違ってて、どれも一筋縄ではいかないんだ。

コンディションを重視するのであれば、近年のものを使うのが一番。もちろん新品にも個体差はある前提だけど。ジャパンヴィンテージよりは、グッと不良に当たる確率が減るよ。

実際、最近使っているギターはわりかし近年のものばかりで、コンディションの悩みが圧倒的に少なくて、ストレスフリーだよ。

 

楽器選びでは何を重視すべきなのか?

最終的に、楽器はコンディションの良い楽器を使うべきだよ、ということに限る。

やっぱこれだ。いくらボディが鳴って良い音の出る楽器でも、コンディション不良では、難しいところがある。楽器は弾いてなんぼ。コンディション不良では気持ちよくなれない。

近年の中国製Epiphoneは、工場設立から10年以上経ち、ノウハウも積まれているのだろう、コンディションは安定しているし、工業製品として悪くない。昔のような、楽器の形をした粗大ゴミではなくなっている。けど、音に関しては、いささか貧相というか、こもっていてあまり深みがない、というのはすごく分かる。良く聞くような分離感の良いジャラーンといった音が出ないというか。僕のアコギもなんとなくこもったような音が出るんだよね。でも、まぁあれはあれで悪くないと思えるようになったよ。ホールを正面にして聞かないで、弾きながら聞く分には少しマシに聞こえるし。今持っているアコギは、色々と弾き比べて、自分が割と良いと思える楽器を選んだのもあるだろうけど。GIBSONのアコギと比べなければ、まぁ我慢はできる。それにEpiphoneのEJ-200の僕の持っているタイプはすでに廃盤でもうずっと長い間販売されていなくて、見つけるのかなり苦労したんだ。今売っているのはカッタウエイになってるからね。

もう、ジャパンヴィンテージとやらに踊らされて、コンディション不良に悩んだりするのは止めた。

 

でも追求していく過程はすごく楽しかったので、もし、コストをかけてでもでもジャパンヴィンテージが欲しいのであれば、一度色々と探してみると良いよ。良いものに出会えた時は、かなり嬉しい気持ちになれると思うから。ジャパンヴィンテージを生音で弾いた時の響きや鳴りは、現行とは全然違うよ。何でなんだろうね。木材の質が違うのかもしれない。

もし機会があれば、一度は手にして欲しい楽器だなとは思う。

やっぱ良いよね。Epiphoneは。

 


前回の記事も読んでね⇨

中華製アクションカメラ【MUSON MAX1】の少し残念な点

モバイルバージョンを終了